【校長だより 241号】
3月24日(木)、小樽は晴れています。車道の雪も解け、春を感じる清々しい日になりました。あとは、歩道の雪が解けて、歩行者が歩きやすくなると本物の春を実感できるのですが・・・。
小樽明峰高校では、卒業式から3週間が経ち、今日は、もうひとつの卒業式がおこなわれました。様々な事情を抱えながら、けして卒業を諦めなかった6名の3年生が卒業を迎えました。式場になった教室には、級友や保護者、先生方が集まり、卒業の門出を祝いました。卒業生はひとりずつ、参列者の前で感謝の気持ちを述べると、式場が温かい拍手に包まれました。
そんなもうひとつの卒業式の校長式辞を紹介させていただきます。
日に日に春の温かさを感じる季節になりました。本日、こうして卒業式を開催することができましたことを大変嬉しく思います。卒業生のみなさん、ご家族の皆様、これまで支え続けた先生方、関係者のみなさん、ご卒業おめでとうございます。小樽明峰高校教職員を代表して、心よりお祝い申し上げます。
感染拡大で思うような生活ができなかった日が2年も続いています。そうした中で、みなさんは、この明峰高校で着実に成長してきました。
3月1日、同級生と一緒に卒業式に臨めなかったこと。私は、そのことに意味があると思っています。みなさんは、この3年間、それぞれに、人には言えない多くの葛藤や困難と闘ってきたはずです。そしてとうとう今日を迎えられたことそのものが、素晴らしいことと思っています。
この3年の中で、思うように身体を動かすことができない辛さ、モチベーションが上がらない精神的苦悩、学校を辞めようと思ったことがあったかもしれません。そうした葛藤を抱えながら、心の中で闘い、挫折し、また一歩を踏み出そうと踏ん張ってきたみなさんです。今日、諦めずに卒業式を迎えられたことに、誇りを持ってください。そして、ここから新しい次の一歩を踏み出してほしいと願っております。
同時に、これまで支えてくださったご家族や友人、担任をはじめたくさんの先生方の想いも胸に刻んで、卒業してほしいと思います。今度は、自分が誰かを支え、背中を押せる存在として生きていけるように、これからのご活躍を期待しております。
最後に、卒業生のみなさん、身体に気を付けて、これからも頑張ってください。応援しています。時には母校に元気な顔を見せてください。待っています。卒業生、ご参列くださいました皆様のご多幸をお祈りいたしまして、式辞といたします。
令和4年3月24日
学校法人 共育の森学園
小樽明峰高等学校長 石澤 隆一
ご静聴、ありがとうございました。