【校長だより 49号】
5月30日(木)、今日の小樽もくもり空でした。日中の気温は14℃で、昨日より暖かい一日でした。
小樽明峰高校は今日も通常の授業がおこなわれています。今日は、私(校長)が担当する3年生の【 日本史探究 】の授業を紹介します。
4月から【 なぜ歴史を学ぶのか 】という問いから始まった日本史の探究授業ですが、【 旧石器時代 】から順にすすめて、今は【 奈良時代 】【 平安時代 】のあたりを勉強しています。
奈良時代の学習では、天皇中心の国づくりが崩れていく社会の様子を取り上げました。当時は天然痘という今の新型コロナのような感染症が日本中に広がって、日本人の5人に1人(120万人)が感染し、60万人がなくなりました。
授業では、当時の人々や国のリーダーである天皇が、この感染症とどう闘ったかについて探究しました。
モニターで説明し、教科書で調べたり、時間のあるクラスは班をつくって話し合ったりしました。天皇は都を何度か移したりしましたが、当時の人々が頼りにしていたものは、中国から伝わる技術・文化に救いを求めるほかになかったようです。聖武天皇は仏教に救いを求めて全国に国分寺などを設置し、奈良に莫大な費用と労力を費やして東大寺・奈良の大仏を建てるに至りました。
聖武天皇によって人々は救われたのか。日本社会はここからどうなっていったか。こうした授業を生徒たちと想像しながら進めているところです。
歴史には、結果的に失敗だったこともあれば成功した出来事もあります。生徒たちは、当時の人がその時にどんな状況で、何を考え、どんな判断をしたのかを想像したり、学んだり、話し合ったりしながら歴史を学んでいます。授業を通して、歴史について考えることが好きになったり、話し合うことが楽しくなってほしいと思っています。人生という自らの歴史をつくっていく練習なのかもしれません。
小樽明峰高校 校長 石澤 隆一