9月21日(火)、今日から第2回定期試験が始まりました。小樽明峰高校では、4月~9月までを「前期」、10月~3月までを「後期」と二期制に分けています。今日から3日間は前期を締めくくる試験の始まりです。
サポートルームで受験している生徒がいます。試験後に話を聞いてみました。
彼女は2年生の女子生徒です。真面目で礼儀正しく誠実な生徒ですが、大勢でガヤガヤした教室が苦手で、少人数のサポートルームで学校生活を過しています。
- 試験初日が終わりました。今回の試験の手ごたえはどうですか?
〇初日の科目しか勉強していないので、家に帰ったら明日の科目を勉強します。
- いつも、学年で上位の成績ですね。夜遅くまで勉強しているのですか?
〇遅刻しないように夜12時には寝るように心掛けています。教室で授業を受けていないため授業プリントがない時は、勉強に困るというハンディーはありますが、それでもサポートルームや家では頑張って勉強しています。
- 教室と違ってサポートルームのメリットはなんですか?
〇少人数なので落ち着いて勉強ができます。ほとんど自学・自習ですが、「化学」や「情報」などの難しい勉強は、教科の先生に聞いて教えてもらっています。
- 普段のサポートルームでの一日の過ごし方を教えてください。
〇休み時間は友達とお話ししながら過ごしますが、普段は教室でやっている授業と同じ勉強や課題に取り組んでいます。あとは、サポートルームの本棚の本を読んだりしています。マンガもあって読んでいて新鮮な気持ちになれます。「体育」は実技なので一緒に受けますが、受けるのが難しい時はサポートルームで課題をやっています。
- 卒業後の進路について目指しているものはありますか。
〇就職ですね。人前が苦手なので営業は難しいです。何か決められたことを地道に作業するような職に着けたらいいと思います。
- どんな人になりたいですか。(目標とする自分について)
〇人から頼られる人になりたいです。自分の意見を言える人。仲の良い友達がいる人になりたいです。今の私には、ちゃんと友達がいます。
- あと1年半、どんな高校生活を送りたいですか。
〇後悔したくないです。太鼓部を最後までやり遂げたいです。友達を大切にして、太鼓部の後輩たちにちゃんと太鼓を教えたいです。
- 学校にいけない中学生にメッセージをお願いします。
〇私もそうだったのですが、中学校に通っていない人は、高校へのあこがれが強く、高校に入学してから頑張りすぎてつぶれてしまうこともあるかと思います。もしそうなったなら、頑張り過ぎずに気を抜いた方がいいと思います。時には逃げることも大切です。家にいる時も悩んでしまい学校へ行こうと決心しても、次の朝には気持ちも変わってしまうこともあるので、そんな日は気持ちを切り替えて、「明日の自分に任せよう」と寝てしまうのがいいです。私はそう考えるようにしています。
教室に入れない以外、何も問題のないやさしい気配りのできる生徒です。彼女は、教室に戻れたらいいなと思いつつ、なかなか戻れない自分と闘っています。多様な生徒たちがいる教室で、落ち着いたままの自分でいられる彼女の居場所は、簡単には作られないのだと思います。人に迷惑をかけず落ち着いた環境で勉強したいと願う彼女の姿は、それができない周りの環境に対し、何かを訴え続けています。
こうした生徒たちの居場所をどのように作り出せるかは、この学校の課題であり、私の課題なのです。
小樽明峰高校 校長 石澤 隆一