【校長だより 220号】
今日、小樽明峰高校は卒業式を迎えました。【学校長式辞】を載せます。
3月1日、感染拡大や猛吹雪に見舞われた北海道小樽の地にあって、本日、こうして卒業式を開催することができましたことを大変嬉しく思います。卒業生のみなさん、ご家族の皆様、ご卒業おめでとうございます。小樽明峰高校教職員を代表して、心よりお祝い申し上げます。
卒業生のみなさん、本当に色々なことがありましたね。2年生から、感染拡大で私たちの暮らしが大きく変わり、行動が制限されてきました。人と接触してはいけない。手指消毒。食事は黙って食べる。学校祭は縮小。体育大会・修学旅行も縮小。宿泊研修は中止・・・。いったいどんな思い出が刻めるのか、卒業アルバムに何を残せるのかと悔しい思いをしてきたのではないでしょうか。
でも、こうして卒業を迎え、あらためて高校生活を振り返ると、様々なことが思い出されます。
3年前の入学式。みなさんがこの学校で新しい生活をはじめた日。緊張と不安でいっぱいではなかったでしょうか。「ちゃんと通えるか」「友達ができるか」「勉強についていけるか」「担任の先生、先輩たちはどんな人か」・・・。3年前のみなさんは、不安そうな顔でそこに座っていたはずです。
明峰高校は、中学の頃から様々な課題や苦しみを抱えて入学してきたみなさんを迎えました。そして私たち教師は、ここで輝こうと努力を積み、成長していくみなさんの姿をずっと見てきました。授業で勉強する姿、クラス活動、部活動、生徒会活動、学校行事、そして進路活動。三年間を振り返ると、様々な場面で一生懸命に取り組んできたみなさんの姿が思い出されます。
入学式での緊張と不安も、今では懐かしい思い出です。みなさんは、あの頃の緊張と不安を高校生活の中で乗り越えてきました。3年前の自分と今の自分、何が変わったでしょうか。私は、みなさんがこの明峰高校で、かけがえのない素晴らしい力を身に付けたと思っています。
みなさんが身に付けた力。それは「優しさ」です。優しさは人間にとって大切な力です。人間関係を築く上でなくてはならない力といってもいい。みなさんは、明峰高校で強くて優しい人に成長しました。
思えば、授業をしている時のみなさんの眼差しが、実に優しかった。同級生に対しても、教師に対しても、注がれたその優しさは教室を温かく包んでいました。私はみなさんと一緒に授業をすることが心から楽しかった。お互いに安心できる関係を積み上げて成長してきたみなさんに、心から感謝しています。
みなさんの優しさは、どうやって身に付いたのでしょうか。それは、みなさんが高校生活の中で、自分の弱さや不十分さ、克服できない課題と向き合いながら成長し、他者を理解しようと努めてきたからこそ身に付いたのだと思います。みなさん、周りの人に対する「優しさ」「いたわり」「相手の気持ちを理解しようとする想像力」。この力をどんな時も忘れずに、誇りを持って生きていってください。
私達教師は、みなさんが成長する姿を見るたびに励まされ、その笑顔に支えられて教育活動を続けてきました。今日まで3年間、頑張ってくれたみなさんに、感謝の気持ちでいっぱいです。
そして、この3年間、ずっとみなさんを支え続け、見守り、毎朝お弁当をつくって送り出してくださった保護者の皆様、ご家族のみなさん、本当にありがとうございました。私たち教職員も、保護者の皆様に支えられ励まされ、今日を迎えることができました。深く感謝申し上げます。教職員と卒業生のみなさん、ご家族へ感謝の気持ちを込めて、拍手をお願いします。(パチパチパチパチ)
担任の先生をはじめ3年学年会の先生方、とうとうこの日を迎えました。ホッとするような、まだ終わりじゃないような、そんな寂しい気持ちで、今この時を迎えているのではないでしょうか。3年間お疲れさまでした。卒業生のみなさん、担任の先生へ感謝を込めて、拍手をお願いします。(パチパチパチパチ)
今日の卒業式は、同級生、そして私達教職員との別れの場です。同時に、卒業生のみなさんにとってスタートラインでもあります。そう、みなさんは今、自分が自立するためのスタートラインに立っています。自分が思い描く人生を自分の意志で歩んでいく出発の時。ここからみなさんは、進むべき道を見定め、新しい目標を掲げて、その一歩を踏み出してください。明峰高校は、これからもみなさんを見守り、応援しています。
最後に、ご参列いただいたすべての皆様、明峰高校へのこれまでのご支援ご協力ありがとうございました。心よりお礼を申し上げます。卒業生、並びに皆様方のご健康とご活躍を祈念いたしまして、式辞といたします。
令和4年3月1日
学校法人 共育の森学園
小樽明峰高等学校 校長 石澤 隆一