【校長だより267号】
3月1日(金)、小樽は降雪もなく静かな朝を迎えました。今日は卒業式です。
小樽明峰高校は、10時30分から体育館で卒業式が開かれました。今日の日にたどりつくまで努力した生徒たち、そして多くの支えてくださった方々のお陰で卒業式を迎えられたことを嬉しく思います。
式の写真を私(校長)の式辞と合わせて載せます。長くなりますが、ご覧ください。
- 校長式辞
3月1日、氷点下の続く厳しい寒さに耐え、本日ここに卒業式を開催することができましたことを大変嬉しく思います。卒業生のみなさん、ご家族の皆様、ご卒業おめでとうございます。小樽明峰高校教職員を代表して、心よりお祝い申し上げます。
3年前の入学式、私は今日と同じくここからみなさんの顔を眺めていました。希望にあふれた顔、新しい高校生活のスタートに不安を抱えた顔がありました。卒業生のみなさん、それぞれの思いを胸に明峰高校での生活が始まった頃を思い出してみてください。そして、この3年間で、どんなことを胸に刻んできたか思い浮かべてみてください。
3年前に入学した頃、世の中は新型コロナウイルス感染症の最中にありました。楽しみにしていた1年生宿泊研修が日帰りになり、学校祭は体育館ではなく、各教室のモニターで作品を発表するリモート学校祭となりました。中学の時も行動が制限されていたはずです。高校1年目も、以前までの学校行事ができないもどかしさを抱えました。感染前のように行事で活躍する先輩の姿を見ることもできませんでした。それでもみなさんは、少しずつ平常を取り戻すべく、今できることは何かを探りながら、行事を再生させていきました。
2年生になると、あんどんパレード、ステージ発表、そして体育大会もこれまでできなかったことを取り戻すように工夫し、感染対策を取りながら精一杯取り組んで、その姿を後輩たちに見せてくれました。かつてない経験を積んできたみなさんでしたが、3年生の夏季体育大会では競技途中で雨天中止。さらに冬季体育大会は、コロナ感染拡大で臨時休校となり中止。何とも悔しくて涙を飲んだ体育大会となりました。
そんな経験を積んできたみなさんに教えられたこと。それは、自分たちの高校生活を諦めないという気持ちです。その思いは、当たり前の生活が、決して当たり前ではないということを私に教えてくれました。だからこそ毎日の生活、行事のひとつひとつをもっと大事に取り組んでほしいというメッセージとして、今の後輩たちに届いていると思います。みなさんの足跡が、この学校に残っています。私は、ここにいるみなさんが味わった悔しさや、取り組んできた情熱、逞しさ、そして行動力こそ賞賛に値する素晴らしい成長だったと思っています。
私は、みなさんに明峰高校で身につけたことを生涯忘れないでほしいと思っていることがふたつあります。それは、どんなに努力してもかなわないことがある時、思い出してほしいこと。それは、自分の弱さや不十分さ、克服できない課題と向き合った時、けして成長を諦めないことです。そしてもうひとつ、他者を理解しようと努めること。周りの人に対する「優しさ」「いたわり」「相手の気持ちを理解しようと想像すること」。この気持ちを忘れずに、誇りを持って生きてほしい。明峰高校で生活したみなさんなら、それができると私は信じています。
私達教師は、みなさんが成長する姿を見るたびに励まされ、その笑顔に支えられて教育活動を続けてきました。今日まで3年間、頑張ってくれたみなさんに、感謝の気持ちでいっぱいです。
そして、この3年間、ずっとみなさんを支え続け、見守り、毎朝お弁当をつくって送り出してくださった保護者の皆様、ご家族のみなさん、本当にありがとうございました。私たち教職員も、保護者の皆様に支えられ励まされ、今日を迎えることができました。深く感謝申し上げます。教職員と卒業生のみなさん、ご家族へ感謝の気持ちを込めて、拍手をお願いします。
卒業担任をはじめ3年学年会の先生方、とうとうこの日を迎えました。ホッとするような、まだ終わりじゃないような、そんな複雑な気持ちでこの時を迎えているのではないでしょうか。卒業生のみなさん、担任の先生へ感謝を込めて、拍手をお願いします。
今日の卒業式は、私達教職員や慣れ親しんだ校舎との別れの場です。同時に、卒業生のみなさんにとって、ここはスタートラインでもあります。自分が思い描く人生を、自分の意志で歩んでいく瞬間でもあります。今ここから、みなさんは、進むべき道をしっかり見定めて、新しい目標を掲げ、その一歩を踏み出してください。明峰高校は、これからもみなさんを応援しています。
最後に、ご参列いただいたすべての皆様、明峰高校へのこれまでのご支援ご協力ありがとうございました。心よりお礼を申し上げます。卒業生、並びに皆様方のご健康とご活躍を祈念いたしまして、式辞といたします。
令和6年3月1日
学校法人 共育の森学園
小樽明峰高等学校長 石澤 隆一