【校長だより 271号】
3月1日(水)、昨日の晴天から一変して今日の小樽は、一日中曇り空でした。日中の気温は3℃と比較的暖かく、卒業式日和になりました。
小樽明峰高校は今日、体育館で卒業式をおこないました。
1,2年生は家庭学習とし、卒業生と教職員と保護者が式場に集まり卒業生の門出を祝いました。1時間15分ほどの式でしたが、明日からもう会えないと思うと生徒たちが愛おしくなりました。
長くてすみませんが、本日、私が心を込めた「式辞」を紹介いたします。そして卒業式の様子も写真でご覧ください。
< 学校長式辞 >
3月1日、感染拡大がようやく収まりつつある最中、こうして卒業式を開催することができましたことを大変嬉しく思います。卒業生のみなさん、ご家族の皆様、ご卒業おめでとうございます。小樽明峰高校教職員を代表して、心よりお祝い申し上げます。
卒業生のみなさん、この3年間、本当に色々なことがありました。憶えているでしょうか。入学してすぐに緊急事態宣言になりました。お互いの顔も知らないまま休校が続きました。入学式以降、学校生活は大きく変わりました。マスク着用が当たり前、朝の検温、手指消毒、教室の換気、黙食など行動が制限されました。みなさんも、そして教職員も、思うような活動ができず、部活動や学校行事で悔しい思いをしてきました。
日本や世界中がコロナに苦しんだこの3年間、たとえマスクの下の笑顔が直接見られなくても、肩を寄せ合いスクラムを組むことができなくても、みなさんは、高校生活を精一杯生きてきたと思います。
この間、学校行事が中止・縮小されましたが、みなさんは悔しい思いをバネに、できる可能性があることを必死に探して取り組んできました。2年生の修学旅行、お互いが感染しないようさせないよう気をつけながら沖縄へ行きました。冬季体育大会、広い小樽総合体育館を利用してマスクを付けながら工夫してできる種目を設定し開催させました。学校祭のあんどんパレード、3年目にしてついに実現、復活させました。
悔しかったことはたくさんあります。でも、できることを考えて、学年やクラス、部活動のみんなで諦めず取り組んできました。私は、みなさんが味わったその悔しさ、情熱、逞しさ、そして行動力こそ賞賛に値する素晴らしい成長だったと思っています。
みなさんは、この高校生活での経験を通して、様々なことを乗り越えてきました。コロナ禍の制限された生活の中で、授業や試験勉強に取り組み、クラス活動、部活動、生徒会活動、学校行事、そして進路活動に精一杯励んで、自分の道を見つけていきました。みなさんの足跡が、この学校に残っています。
思えば、私がみなさんと「日本史」の授業をしている時、みなさんの楽しそうな眼差しが印象に残っています。私はみなさんと授業をすることが心から楽しかった。一緒に考えたり、話し合ったり、発表したり、お互いに安心できる関係を積み上げて成長してきたみなさんと授業ができたことを心から感謝しています。
みなさんが明峰高校で身につけたこと。その中で生涯忘れないでほしいことがあります。それは、どんなに努力してもかなわないことがある時、どうするかということ。それは、自分の弱さや不十分さ、克服できない課題と向き合った時、けして成長を諦めないことです。そしてもうひとつ、他者を理解しようと努めること。つまり、周りの人に対する「優しさ」「いたわり」「相手の気持ちを理解しようとする想像力」。この気持ちを忘れずに、誇りを持って生きていくことです。明峰高校で生活したみなさんなら、それができると私は信じています。
私達教師は、みなさんが成長する姿を見るたびに励まされ、その笑顔に支えられて教育活動を続けてきました。今日まで3年間、頑張ってくれたみなさんに、感謝の気持ちでいっぱいです。
そして、この3年間、ずっとみなさんを支え続け、見守り、毎朝お弁当をつくって送り出してくださった保護者の皆様、ご家族のみなさん、本当にありがとうございました。私たち教職員も、保護者の皆様に支えられ励まされ、今日を迎えることができました。深く感謝申し上げます。教職員と卒業生のみなさん、ご家族へ感謝の気持ちを込めて、拍手をお願いします。(パチパチパチパチ)
担任の先生をはじめ3年学年会の先生方、とうとうこの日を迎えました。ホッとするような、まだ終わりじゃないような、そんな寂しい気持ちで、今この時を迎えているのではないでしょうか。卒業生のみなさん、担任の先生へ感謝を込めて、拍手をお願いします。(パチパチパチパチ)
今日の卒業式は、私達教職員や慣れ親しんだ校舎との別れの場です。同時に、卒業生のみなさんにとって、ここはスタートラインでもあります。自分が思い描く人生を自分の意志で歩んでいく出発の時です。今ここから、みなさんは、進むべき道を見定め、新しい目標を掲げて、その一歩を踏み出してください。明峰高校は、これからもみなさんを見守り、応援しています。
最後に、ご参列いただいたすべての皆様、明峰高校へのこれまでのご支援ご協力ありがとうございました。心よりお礼を申し上げます。卒業生、並びに皆様方のご健康とご活躍を祈念いたしまして、式辞といたします。
令和5年3月1日
学校法人 共育の森学園
小樽明峰高等学校 校長 石澤 隆一