5月17日(水)、今日の小樽は昨日以上に天気が良く、日中の気温は20℃を越えました。あっという間に、小樽にも夏がやってきました。
小樽明峰高校は、高体連テニス選手権大会支部予選の当番校として、今日から数名の教員が、会場である天狗山の麓のからまつ公園テニス場で大会運営に関わっています。ちなみに本校にテニス部はなく、出場選手はおりません。
さて今日は、本校の授業の様子をご紹介します。今日の3時間目、2年B組の国語【 言語文化 】の授業をのぞいてみました。担当は白鳥先生です。
授業の最初に5分間の「視写」をしました。視写は、文字を書き写すことで集中力を高め、丁寧に書く習慣をつけるため毎回取り組んでいます。
今日の授業の題材は、三浦哲郎さんの「とんかつ」という小説でした。旅館に泊まった母親と顔色の悪い息子の物語です。旅館の女中は、この親子は自殺するのではと心配するのですが、そこには深い事情が絡んでいる心温まる小説です。
小説に出てくる言葉に、「頭をまるめる」、「修業は峻烈(しゅんれつ)を極める」、「梵妻(ぼんさい)」、「里心がつく」などがありました。生徒に意味を質問しましたが、今の時代では伝わらない言葉もあるだろうなあと思いながら、先生のわかりやすい説明を聞きました。
どの家族や親子でも、他人には想像もつかない境遇を抱えていることがあります。小説の中の親子がとんかつを食べるシーンに、「母の精一杯の愛情」が描かれています。生徒たちは、この親子をどう受け止めたのか、聞いてみたくなりました。
この授業で、生徒それぞれが、自分の家族の愛情をどう受け止めて生きてきたのだろうかと、そんなことまで勝手に想像しながら、私も自分の母親や家族を思い浮かべる機会になりました。
国語の授業は、想像力を働かせる授業だと思います。生徒たちの想像力や、豊かな心の成長に必要な学習のひとつだとあらためて感じた授業でした。
「とんかつ」の授業は次回も続くようです。楽しみですね。
小樽明峰高校 校長 石澤 隆一