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母から見た小樽明峰高校 〜入学前の教育説明会で〜

校⻑だより

もうすぐ入学式です。4月7日午前10時、本校にて入学生の保護者を対象に「教育説明会」を開きました。お忙しい時期にも関わらず、たくさんの保護者が参加されました。我々教職員も10日(土)の入学式が待ち遠しいです。

これから、明峰高校を紹介する情報を発信していきます。ぜひお付き合いください。今回は、この説明会の説明者の一人で、本校生徒の保護者である安藤(仮名)さんのお話を一部紹介いたします(本人了解済み)。私たちはこんな素敵な保護者の方々と一緒に教育活動しています。安藤さんは現在、楽しくPTA活動に取り組んでいらっしゃるお母さんの一人です。

今日は明峰高校を卒業した息子と、在学中の娘の話をさせていただきます。

3月に卒業したばかりの息子は、中学・高校と勉強ができる方ではありませんでした。中学では勉強が苦手で周りの子にもついていけず、次第に「自分は何をやってもできない」と責め、友達との関わりもあまりしなくなりました。休みの日には家に引きこもるようになりました。私が声を掛けたり、学校の話を聞いたりすると不機嫌な声で返答。自分の思い通りにいかなかったり、ストレスが溜まると一番下の妹に暴言を吐いたり手を出したり。注意すると取っ組み合いのケンカになったりと、そういう状態が中学2年まで続きました。そんな息子が中学3年になり、少しずつ落ち着いて高校進学の話をしてくるようになりました。興味を持った学校へ見学に行ったりしましたが、中学校の一回目の三者面談では合格は難しいと言われました。

そんな中、学校からもらってきたパンフレットの中に「明峰高校」を見つけ、内容を読んでみました。正直、聞いたことがない高校でしたが、息子に良いのではと思いすすめてみました。乗り気ではなかった息子と明峰の学校説明会へ。その帰り道に息子から「あの高校の生徒って、とても生き生きしていた。この高校に入ったらあんな風になれるかな。いや、なりたい。」と。息子が初めて前向きに考えた瞬間でした。

こうして4月に明峰高校へ入学。1年の時は、周りとの関わりが持てず悩み、担任の先生に弱音を吐きながら徐々に友達を作っていきました。また、勉強も好きな教科が増えて頑張るように。2年生の後期には生徒会役員になりました。3年では、様々な問題を起こしつつも年が明け進路活動再開という時に新型コロナの影響を受けて思うような就活ができず卒業式を迎えました。でも4月中旬に仕事が決まり、今は毎日頑張って働いています。

次に現在明峰高校3年生の娘の話です。小学校で男の子からいじめを受けた娘は、それでも私に何も言わず我慢していました。でも、6年生最後の学芸会の1か月ほど前に限界を越えてしまい、泣きながらいじめにあったことを言ってきました。娘は妹の面倒をみながら元気に登校していたので、母として気づいてあげられず申し訳ない気持ちで娘に謝りました。その後、男の子への嫌悪感・恐怖感は消えることはありませんでした。中学に上がり、いじめがなくなった訳ではありませんでしたが、その子たちとは関わらないようにしていたみたいです。部活もバスケ部へ入部。部活内でも色々なことがありましたが、3年間頑張りました。中学3年になって高校進学の話をしていた時、息子と同じ高校へ行きたいと言ってきました。理由を聞くと、楽しく学校の話をする兄の会話に影響されたのと自分を変えるためだと言いました。娘は1月に受験、2月合格通知。4月、兄と同じ明峰高校へ通いました。高校でもバスケ部へ入部。友達関係も順調。部活も中学の時と違ってとても楽しいと言い、生き生きしていました。問題は男の子へ対しての感情でしたが、心配することなく人並みに男友達も作っていました。学校生活も問題なく、先生方から娘に誉め言葉をたくさんいただいて親は苦笑いをしています。今では「先生方は娘に騙されています。」と言って笑い話にしています。その娘も今では高校3年になり、自分の夢である福祉系の仕事に就くため進学する学校を探しています。そんな兄と姉を見ていた中学3年の娘も、今では明峰高校に入りたいと言い出し勉強を頑張っています。

順風満帆にはいかないのが子育てです。明峰高校にも子育てで苦労された保護者の方はたくさんおります。だからこそ、我々教師と保護者が寄り添って子どもたちを見守り育むことが大切です。

今後も、こんな明峰高校の姿を発信していきます。

小樽明峰高等学校 校長 石澤 隆一

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