【校長だより 32号】
5月10日(火)、今日の小樽も昨日のように暖かい一日でした。お昼頃、気温が20℃に近づきました。
さて今日は、小樽明峰高校で私が担当する3年生「日本史」の授業をご紹介します。
日本史では、近代・現代を中心に授業をおこないますが、その前段として4月から、日本史を学ぶ準備体操として「旧石器時代」から順に時代ごとの確認をする授業を展開しています。
今日は3年A組で、「弥生時代」について中学時の振り返り授業をしました。生徒を4つの班に分けて、質問を交えながら授業を展開しました。
例えば、こんな質問です。
🔷弥生時代は、北海道と沖縄を除いた日本全国に稲作が広まった約600年間の時代です。じゃあ、米作りが広まると日本社会にどんな影響が生じましたか?
生徒たちが手を挙げて答えます。
「以前よりおいしい食料がたくさん手に入った」
「米を作るために必要な土地や川の奪い合いが起きた」
「収穫した米の奪い合いが起きた」
🔷そうだね。計画的に米作りをするには、人々は村を作って集団で作業したと予想されるよね。その村の水田や収穫した米を守るために環濠集落という柵や堀で村を囲むこともありました。じゃあ、奪い合うような争いごとを起こさないために、どうしたと思う?
さらに、生徒たちが手を挙げて答えます。
「ほかの村と協力して収穫を分け合った」
「争わないように村のリーダーたちが約束を交わした」
🔷そうだね。たくさんの争いの末に日本社会は変化していきます。中国の歴史書、三国志の「魏志倭人伝」のなかに、当時の日本のことが書かれていますね。・・・30の連合国がひとりのリーダーを立てて争わないように治めていたと。
「卑弥呼だ」
🔷そう、卑弥呼。彼女は他の集団から攻められないように対策を立てていた。それは何だっけ?
「?・・・・・」 「軍事力?・・・」
こうした発問を通して、時代の流れを確認しながら授業をすすめています。中学校での歴史授業の振り返りと、教室で発言し合う雰囲気を引き出すのがねらいです。
日本史の授業では、当時の人々が生きるために真剣に判断して行動していること。そして、当時の人々を想像しながら自分ならどう判断するか考えること・・・などを意識して授業を展開しています。
モニターやプリントを使った授業もおこなっています。生徒たちの想像力と発言力を磨きながら、どんな授業が展開できるか今後も楽しみです。
小樽明峰高校 石澤 隆一